歯科恐怖症の患者さんはどうしよう

麻酔で痛みをなくす

患者さんを全身麻酔で寝かせてしまいその隙に治療する方法もあります。

歯科医院の治療を恐がる歯科恐怖症の患者さんに対しては治療中意識を失ってもらう ように全身麻酔をかけてしまうのが手っ取り早い対応策になります。 眠らせてしまえば恐怖を感じることもありませんし、麻酔で痛みを感じることも ありませんし、夢の世界へ旅立っているので自分が歯医者さんの前で大きく口を開けて いることも忘れてしまえるので何も恐くはありません。 起きている患者さんをリラックスさせたり恐がらせないように気を使うよりも断然 確実で安心な方法がこれになるでしょう。 気がついたときには治療も終わっているので、どんなに歯科恐怖症の患者さんでも 怯える暇などありはしません。 気を失うまではこれから始まる治療のことを考えて多少不安になるかもしれませんが、 意識のある間は歯を弄られることはありません。 歯を削られるとしてもその間本人は夢の中で、名古屋城や岡崎城など城廻りを楽しんで いる夢を見たり、誕生日にゴマのたっぷりふりかけられたお赤飯とイチゴの載った ケーキを食べている夢を見たり、美容室で気持ちよくシャンプーしてもらう夢を 見たり、ガレージから引っ張り出したバイクに跨り峠を攻めている夢をみたり、 掃除をサボっていたゴミ屋敷のような家の掃除を必死になってする夢をみたり、 深夜に憧れの先輩とふたりぼっちでセブンイレブンでバイトをする夢を見たり、 家庭教師に勉強を教わってテストでいい点を取ったご褒美に買ってもらった中古艇で 沖まで出掛ける夢を見たり、看板もないようなところで迷子になってしまったけど 歩き進むとお花畑に囲まれたお菓子の家をみつける夢をみたり、すね毛の脱毛をする 夢を見たり、夏の夜の舞踏会に赤いドレスで出席してそこで振舞われるケータリング の流しそうめんに舌鼓を打つ夢を見たりしているのです。 寝ている間なら何をされても恐くない、それが全身麻酔というものです。 歯科医院の治療では麻酔薬を肺から吸入する吸入麻酔という方法が一番用いられやすい でしょうが、他にも静脈から麻酔薬を注射で投与する完全静脈麻酔という方法や、 麻酔時に降圧剤で血圧を下げ出血を抑える低血圧麻酔なども用いられます。 どれも患者の意識を失わせることになりますが、どうせならスッと意識が飛んで しまいそうな吸入麻酔を望む患者さんが多いようです。 痛くないように麻酔をかけるけどそのためには注射の痛みを感じなければならない、 では嬉しいようなあまり嬉しくないようなちょっと複雑で微妙な気持ちになります。 ちなみに全身麻酔はどこでも簡単に受けられるものではなく、歯科医以外では麻酔科医 しか施すことができないという高度な療法になります。 歯科医院以外での治療、通常の外科医などで行われる手術では麻酔科医がこの全身麻酔 を受け持つことになります。 つまり歯科医師だけが特別で、歯科医師法が定める歯科医業の一部としてのみ歯科医師 が全身麻酔を行うことが許されているのです。 それだけ歯科医院に麻酔は必要とされていることなのか、それとも他になにか理由が あるのかは知りませんが、ともかく全身麻酔が受けられるのは麻酔の専門家ぽい 麻酔科医を除くと歯科医師だけということなのです。 テレビドラマでは頻繁に見ることのある全身麻酔ですが、実際には大きな手術をする 時と歯科医院で歯科恐怖症の患者さんをおとなしくさせるケース以外では、 ほとんど目にすることの無いわりかし珍しい麻酔なのですね。 なので歯医者が恐いからと安易にこれに頼ってしまってはいけないような気もしますが、 それでも虫歯を放置して悪化させるよりはいいのでどうしてもまともに診察や治療を 受けられないのであれば、医師に相談して全身麻酔の可能性を伺ってみると良いでしょう。