歯科恐怖症の患者さんはどうしよう

コミュニケーション

歯医者さんが恐いのは白衣にマスクをした歯科医師の姿のせいかも。

歯科恐怖症と呼ばれる人のほとんどは歯科医師の姿を恐がります。 きっと大人になって初めてその姿を見たのであれば「医師だな」「清潔そうだな」 「この先生に今から治療してもらうんだな、敬意を持って接しなくちゃ」といった ことを考えるだけでしょう。 ですが子供の頃に歯医者さん=恐怖と刷り込まれた人にとっては、その時の記憶と 印象が大人になってから出会う歯科医師の印象にも影響を与えてしまいます。 幼い子供が全身布で覆われた正体不明の歯医者さんを恐がるのは無理からぬ話で、 もしそれが虫歯の治療をするために口の中を掻き回される病院で会ったのでなくとも、 遊園地のお化け屋敷だろうと駄菓子屋さんだろうと恐山の麓だろうと、とりあえずは その姿に恐がってみたかもしれないのです。 マスクを取ってニコニコ優しそうな表情をしていたのならともかく、記憶の中では 大きなマスクをしたわけのわからない見たことも無い白衣で聳え立つ謎の人物です。 大人になってもその時に感じた恐怖心を引きずってしまい、23歳になって虫歯の 治療をするために通院しても歯科医師の姿を見るだけでなんとなく背筋が寒くなるの は仕方の無いことかもしれません。 それを解消するには直に歯科医師とコミュニケーションを持つようにして、その人が 少しも恐くないことを理解するしかありません。 28歳になってどうにも虫歯が痛くて我慢できない状況に追い込まれた歯科恐怖症 の人が久しぶりに歯科医院に行ったとして、先生の姿を見た時の第一印象は「恐い」 「帰りたい」「なんでこんなトコにきちゃったんだろう」「急用を思い出した気がする」 「あらいけない、ガスの元栓締め忘れちゃった」「東で誰かが呼んでるから今すぐ 駆け足で行かなくちゃ」「まだ死にたくない」などでしょう。 その人とは初対面のはずなのに、歯科医師独特の格好を見ただけでそれほど後ろ向きの 印象を受けてしまうのは幼い頃のトラウマゆえです。 ならばその最悪な第一印象を打ち消すにはどうすればいいのか、その答えは簡単で たくさん話をしてお互いに理解しあい、仲良くなってしまうのです。 患者と先生という立場上超えてはいけないラインはありますが、それでも許される 限り親密な関係を築いて言いたいことが言えるようになってしまいましょう。 趣味の話で盛り上がってもいいですし、天気の話で抱腹絶倒してもいいですし、 なんなら好きな異性のタイプの話をお互いこっそり打ち明けあってもいいでしょう。 とにかく仲良くなってしまうことが肝心で「恐い」という最初の第一印象を打ち消せ ればその後の治療にも耐えられるようになるかもしれません。 よくわからない人に自分の口の中に指を突っ込まれるよりは、いくらか気心の知れる 信頼できそうな人の方が安心できるものです。 恐いという印象が薄れて話しやすい人物だと思えてきたら、こういう行為が恐いから なるべく避けて欲しい、ここはちょっと痛いから優しくお願いしたいです、といった 患者側の要望も伝えやすくなりますし、前もってわかりやすく説明された治療ならば 安心して我が身を委ねることも難しくはありません。 恐いと思っていた歯科治療も、それを行う先生と親しくなってしまえばそれほど恐くは ないものへと簡単に思い込めるようになるものです。 人見知りだったり人間恐怖症だとなかなかうまくコミュニケーションをとることが 出来ないかもしれませんが、慌てずに時間をかけてゆっくりとでもいいので少しずつ 前進するつもりで良い関係を築けるように努力してみましょう。 歯科医師だって患者を恐がらせるつもりはありませんし、スムーズに治療するため にもこうした信頼関係の構築はおおいに望んでいるはずです。 特に歯科恐怖症の患者さんへの対応は慎重にならざるをえませんので、こちらから 何が恐いかを伝えてどうして欲しいのかを理解してもらうためにも、患者と先生の コミュニケーションは結構重要なものなのです。